次はいすみ鉄道乗車。
実は、現在の「いすみ鉄道さん…」に対しては、小湊鉄道ほどは思い入れがなかった。
よそ者の「テツ」としては、なんでムーミン列車なんだ…という気持ちがあるから<(_ _)>
でも…。
同じ駅に、別会社の鉄道車輌が並んでいる景色は見てみたいとは思っていた。
それぞれが違う方向からやってきて、上総中野駅で一緒に並ぶというのは面白い。
鉄道地図を見たら一目瞭然なんだけれど…。
上総中野駅を基点とすると、小湊・いすみ各鉄道は、それぞれ上総中野駅を出発し、その後、小湊鉄道は五井駅、いすみ鉄道は大原駅でJR線に乗り換えたら、全然違うルートで東京まで行ける。
この日の私の、最初に計画していた予定を詳しく説明すると…。
東京からJR総武線快速&内房線に乗り、五井駅で小湊鉄道に乗り換える。
さらに上総中野駅でいすみ鉄道に乗り継ぎ、大原駅まで行く。
大原駅からはJR外房線を使い、千葉を経由して東京へ戻るか、あるいは、非常に時間はかかるけれど、大原から館山方面へ向かう方法もある。
なんと素晴らしい(*^▽^*)
乗りテツとしては、非常に血が騒ぐルート(笑)
上総中野駅の小湊鉄道といすみ鉄道


上総中野駅舎

上総中野駅トイレ

手前の小湊鉄道の線路はここまで。
向こう側のいすみ鉄道の線路はここから。

それぞれの会社の駅名票
他社の路線なのに、それぞれちゃんと次の駅の名前が入っている。

いすみ鉄道のムーミン列車 中も外も、そして窓にもムーミン。
今はいろいろな路線で○○列車が走っている時代…だから。
私とて、けっしてムーミンは嫌いじゃない。
鉄道会社だって慈善事業ではないんだから赤字では困る…ものね。
ま、ワタクシとは「感覚」が違うってこと。
実際に乗車した印象としては、この鉄道会社は、とても頑張っていらっしゃるんだな~と思った。
各駅にはそれぞれ、プランターに花が植えてあり、そういう手入れだけでも大変だと思う。
ワンマン車両だというのに、運転士さんは観光案内までしているから、きっと大変。


上総中野駅を出発して途中までは、確かに広告ポスターにあった「ゆる旅」だった。
のんびり&ゆったりの雰囲気。
乗車しているのは観光客の方が多かったけれど、乗客は全部で10人もいないくらい。
やっぱり月曜日にしてよかったと思ったのは……甘かった。
大多喜駅で、乗ってくるわ乗ってくるわ…の大人数。
後で知ったんだけれど、なんと50名の団体さん。
1両編成だから、もちろん全員座れるわけもなく、ロングシート車両だから、立っている人が多すぎて景色なんてまったく見えない。
それでも、運転士さんは観光案内を続ける。
マニュアルで決まっているだろうし、なんといってもお客さんのほとんどが観光客なんだから、案内しないわけにはいかないのだろう。
私は、元々3つ先の国吉駅で降りるつもりだったから、この混雑は、ちょっとの間だけの我慢…と思った。
で、国吉駅到着。
満員の人をかき分けながらようやく下車。
この路線、便数が少ないけど、どこか1ヶ所くらいは降りてみたかった。
この駅で1時間半待たなくっちゃいけないけれど、ムーミンショップがあるというし、広場みたいな場所もあるらしいし、往復15分で行って来られる神社もあるらしいし、じゅうぶん時間つぶしはできるだろう…と思っていた。
ムーミンショップはかなり小規模でそれほど商品があるようには思えなかったけれど、私としては鉄道グッズが欲しかったので、それでじゅうぶん満足。
小湊鉄道とは違い、券売機があるというのに、硬券の入場券も買えた。
なかなか商売上手。


けっこう肌寒い日ではあったけれど、雨は降らなかったので、まだ咲いていない桜の満開の様子を想像しながら、手作り感溢れすぎる広場で持ってきたパンを食べる。
こういう素朴な雰囲気は嫌いじゃないから、なおさら、きれいなムーミン列車との「大きいギャップ」に、かなり…の違和感。


その後は、結局神社へは行かずに、大原駅から先のことを考えようとホームにあったテーブルとベンチへ戻る。
そこにいた、私と同じ便でやってきて、また同じく次の便に乗ろうとしている親子3世代のご家族や、たまたま駅へ来たという、地元のボランティアの方とおしゃべり。
ボランティアの方がおっしゃるには、今の社長さんになってから、赤字だった会社は、非常に頑張って、また地元の方々も協力して、変化してきているものの、まだまだ赤字だそう。
う~ん、よそ者「テツ」としては、ムーミン列車に文句を言う筋合いではないみたい(;´∀`)
地元のみんなで、なんとかこの鉄道を盛り上げ、存続させたいという熱意は、そのボランティアの方からじゅうぶん伝わってきた。
この駅には以前に久留里線を走っていたという相当古いキハ形車両が置いてあり、これにはテンションが上がる。
また、向こう側ホームにやってきたのは、やはりキハ形。
やっぱり「テツ」はこちらの方が好き(苦笑)
「テツ」とはいえ、車輌オタクじゃないから、詳しいことは知らないんだけど。
やっと「乗りテツ」している気分が戻ってきた。


結局、一時間半はあっというま。
次の大原行きがやってきた…。
が、またもや車輌はムーミン形(笑)で、しかも、また超満員。
今度もやはり一両編成。
ただ、ロングシートのみではなく、4人掛けの部分もある車両。
とりあえず、前方へ人をかき分けて進む。
と、なぜか4人掛けの一席が空いている。
座っているのは、老夫婦と高校生の男の子。
ここいいですか?と声をかける。
座れてやれやれ。
4人掛けなので、超満員でも、なんとか外は見える。
私以外の3人は、話が弾んでいたので、てっきりご家族連れの地元客だと思っていたけど、違った。
高校生は、老夫婦に対し「では、お気をつけて」と言い、降りる気配。
一方、老夫婦は、彼に向かって「いろいろ教えてもらってありがとうね」と口々に言っている。
その、とっても気さくな雰囲気の老夫婦は、高校生が降りた後、今度は私に向かって、「今朝、北海道から飛行機で千葉(千葉って成田以外に空港あるのかな???)に着いたと思ったら、バスに乗れって言われて、その次はこの列車に乗れって言われて、今どこにいるのかさっぱりわからなかったので、あの子にいろいろ教えてもらっていた」とおっしゃる。
この満員の車内は、そのバスで一緒の方々だとか。
また団体さんってこと('ω')
幸いにも、そのご夫婦はいい方達だった。
他のお客さんには、お酒の匂いがする方もいらっしゃったけど、この方々はそんなこともなく、お話し好きの様子。
旅行は好きでいろんなところへ行ってる。
今回みたいに、今ひとつ場所がよくわからないままっていうこともある。
でも、自分たちでは旅行計画は立てられないから、こういう団体旅行は便利。
今回は、この鉄道に乗って駅でスタンプを何個か押したら何か特典があるようなことを言われた気もするけれど、どこの場所で押したらいいのかもさっぱりわからなかった…等々。
で、次は私への質問。
あなたはどこから?
どうしてここに?
ひとり?
質問は、ご夫婦それぞれから、めっちゃ矢継ぎ早だった(笑)
結局、私の方は18きっぷと小湊・いすみ鉄道一日フリー券を見せて、自分の旅の説明をするはめに…(苦笑)
一方、満員列車は、またまた、運転士さんの観光案内つき。
しかし…。
これは、完全な観光用列車というわけじゃない。
地元の高校生も乗っている普通列車。
だから、それなりのスピードは出ている。
その上に、立っている人が多いから、観光案内されても、自分の側の景色がちょっと見えるだけで、それほど車窓風景を楽しむ状況ではない。
ということで、私にとってのいすみ鉄道は、絶対に「ゆる旅」なんかじゃなく、団体さん御用達のイメージ。
旅行会社との提携は赤字脱却には必要なんだろうけれど、一両編成の列車に50人の団体は、あまりにも……なのでは?
「……」の部分は、あえて書かない(; ・`д・´)
そういう状態の便に、続けて乗ってしまった私は、運が悪かった…のだろうか?
運が悪かったのかどうかはさておき…。
たまたま小湊鉄道の車内に貼ってあった、いすみ鉄道ポスターの「ゆる旅」という文言を見ていただけに「看板に偽りあり…」の気分は否めない。
たった一度の印象で決めつけるのはいけないかも…とは思うが、私は、もうけっしていすみ鉄道に乗ることはないだろう。
鉄道会社にとって、お金は落としてくれない「撮りテツ」としての再訪の可能性は、まだ…若干残ってはいるけど。
それに…。
これに関しては、ツアー会社の責任も大きいとは思うけど、このご夫婦のように、いすみ鉄道の詳しいことを何にも教えてもらえず、スタンプの用紙はもらっても、スタンプをどこで押すのかも知らされないまま…なんて、もし、私がそのツアー客なら、いすみ鉄道自体への印象はけっしていいものではない。
追記
帰ってから、駅でもらったパンフレット類を整理していたら、そのスタンプ用紙があった。
私は、いすみ鉄道の案内パンフだと思い込んでいたんだけれど、裏面には駅のスタンプが押せるシートになっている。
が、老夫婦がおっしゃっていたような「特典」についての記載はなかった。
まだ続く