食べ物の好き嫌いは絶対に許さないという母親に育てられた。
だから、外食したとき、サラダの中のきゅうりだとか、野菜炒めの中の人参やピーマンを避けたりするようなことはしなくてもすむ。
とはいえ、きゅうりも人参もピーマンも好き…なはず。
少なくとも、嫌いと思ったことはない…はず。
たぶん…(;´∀`)
一緒に食事をした人が、めっちゃ器用にきゅうりだけを除きながら食べているのを見て、それまで一度もそんな不調法なことはしなくてもいい人生を歩んできた私は、親に感謝するべきかもしれない、なんて思っていた。
ところが、今頃になって気がついたことがある。
それは…好き嫌いを口に出すことが許されない状況だったから、自分が嫌いな食べ物が何なのか、こんな年齢になっても、実はよくわかっていないというのが実情なのかも…ということ。
嫌いな食べ物があることはとんでもないことだと強く刷り込まれてきた。
だから、私自身はこれは嫌いな食べ物だと断言することに、それなりの抵抗感は今も多少ある。
でも、経験上、筍と牛乳と牛肉とスイカは、なるべく口にしないようにはしているし、嫌いだと言っても大丈夫だと思う場面では、はっきりと言ってきたという事実もある。
筍は小学生の頃、それまでは母親のしつけ効果(笑)で普通に食べることができたのに、ある日あまりにもデカい筍の煮物が食卓に出され、その日だけは何だかこれは食べたくないと思った。
食卓を前にして、ついその気持ちが口に出てしまった。
しかし…。
常に清く正しく美しく生きる主義(笑)の母親が、もちろんそんなことを許してくれるはずはない…。
そのときは、以前にもこのブログで書いた、お汁の中身の豆腐事件(笑)のときのように、無理やり口に押し込まれることはなかったものの、自らの意思でそのデカい筍を口に運ぶようには、仕向けられた(苦笑)
結果は…豆腐のときと同じ。
ものの見事にリ○ース(苦笑)
そういうときの子供は無力であり、そして清く正しく美しい親は、表面上は、巧妙だし狡猾ですらある。
正論(好き嫌いはダメだと…)で迫って来られたら、子供は逃げられない。
が、身体は正直。
当時の私の身体は見事に反応した。
豆腐事件の際もそう。
豆腐という食べ物でそういう反応はあり得ないからと、そのときは母親に完全スルーされてしまったが、筍に関してはそれなりに「刺激は強い」食べ物であったからか、とにかく正直な反応が出てしまったことで、その後の私は、見た目が筍だとわからないくらい小さくして食べるようにと言われ、それに従った。
さすがに母親も、子供に対し、あまりに大きすぎる筍を食べろと強制するのは、マズいと思ったのかも。
とにかく、出された食べ物は残してはいけない時代だった(というか母親がそういう人だった)から、筍をまったく食べないわけにはいかなかった。
幸いだったのは、筍が季節物だったということ。
年中簡単に手に入る物で、毎日のように食卓に出されたら、私はとても困ったことになったかもしれない、とそう思う。
やがて、親元から離れてからは、嫌な物は食べないという選択肢を得ることができた。
その頃になって、筍は食べられないことはないけれど、自分の好物ではないらしい、とようやくそう気がついた。
気がつくのにさらに時間がかかったのが、鍋物。
鍋物自体も豆腐そのものも、けっして嫌いじゃないのに、出汁の中に入った豆腐に対してはそこそこの拒否感があるらしいと気がついたのは、わりと近年のこと:(;゙゚''ω゚''):
きっと子供時代に、お汁の中身のデカい豆腐を口の中に押し込まれてリ○ースしてしまった記憶が消えていない。
自分が調理する身になって気がついたが、その当時の母親は、おそらくはかなり嫌々ながら料理を作っていたのだ。
豆腐も筍も、それなりの大きさに切るのさえ面倒というか、とにかく「調理をした」という事実さえ提示できればいい、と考えていた気がする。
義務的に料理をしていたのだと思う。
確かに、毎日毎食、冷蔵庫の中身&お財布事情を考え、いろいろ妥協し、最終的な献立を考えるのは大変で、面倒。
でも作らないわけにはいかない。
私も「作らなくっちゃいけない…的な考え方」にずっと支配されて続けている。
それは、耐えられないほどの苦痛ではないけれど、楽しくてたまらないという状態でもない。
ただ、自分の味付けの料理(とくに煮物)を食べると、ほっとするのは事実。
今思うと、大人でもひと口では食べられないような汁物の豆腐や筍の煮物なんてありえない。
でも、そういう切り方をすることでしか、自分は料理することは嫌なんだと、外に向かって表せなかったのかもしれないな…とそうも思う。
そして、自分は嫌いな料理を毎日しなくてはいけないというのに、目の前には、厳しく締めつけなければ平気で好き嫌いを言うであろう子供がいるという現実。
母親にしてみれば、子供が好き嫌いを簡単に言うなんて、絶対に許せなかったのだろうな、とそうも思う。
一方の私は、好き嫌いを絶対に言えなかった子供時代には、けっしてわからなかった感覚(笑)を、今頃になってようやく取り戻したとというか…(苦笑)
現在の私も、ホント毎日毎日献立を考えて、ちまちまと料理を作って、あ~面倒くせえ~って思うことがあるので、当時の母親の気持ちがまったくわからないわけじゃないけれど…(苦笑)
子供時代の、筍リ○ース事件からかなりの時を経て、相棒くんの母と3人で宿泊した宿のメニューが筍づくしだったことがある。
出された料理を見た瞬間、困ったことになったと思ったが、そこは幼い頃からどんなものでも絶対に食べるよう厳しく教育された身。
苦手ということはおくびにも出さず、しかし気持ち的にはめっちゃしかたなく(苦笑)口にした。
きれいに調理されていても、見たらすぐに筍とわかる。
ご丁寧にメニューの説明もあった。
筍とわかっているものを口にするにはそれなりの躊躇はあったが、意外にも、それはとても美味しく感じた。
筍ってこんなに美味しいものなんだと感激。
とはいえ、当然ながら、やはり全部は食べられそうにない。
出された料理の量が多かったので、こんなには食べられないよね、と適当に誤魔化しながら食べたと思う。
結局…。
食後、数時間経ってから、お腹の調子が非常に悪くなった。
ふたりには気づかれないよう、夜中に何度もトイレ通い(´;ω;`)
一晩中苦しんだものの、明け方頃には何とか治まり、それ以外の症状が出なかったことが幸い。
それ以降、「タケノコ」という食べ物に関しては、好物の姫竹と、中華メニューの中の実際に食べるまではわからない程度の筍しか口にしないよう気をつけている。
その後、筍で酷い症状になったことは一度もない。
おそらくは、見た目で筍だとわからなければOK?
もちろん食べたら一瞬で筍だとはわかるけど、ワタクシ的には、見た目でわからなければ、筍側の勝ち(調理した側の勝ち)という認識。
それならば、こちら側も簡単にお腹を壊すわけにはいかないという心持ちでいる限り、お腹は大丈夫(笑)
牛乳は、ホットミルクが絶対にダメ。
ところが、それにインスタントコーヒーを入れると全然平気。
これはたぶん、給食時代の脱脂粉乳を温めたあの独特のニオイが苦手だったから。
給食についても、あの頃は絶対に好き嫌いは言えない時代で、残すなんて許されるはずもなく…(´;ω;`)
牛乳と脱脂粉乳では大きく違うと思うのだけれど、今でも牛乳をホットミルクの状態で飲むと、かなりの確率でトイレ通い。
コーヒーが入っていると大丈夫なのは、おそらく、コーヒーの香りのおかげ。
冷たい牛乳だけ飲むときはわりと平気なのは、冷たい牛乳だと嫌なニオイがしないから。
ただ、体調がよろしくないときは、経験上、牛乳はどんな状態であっても飲まない。
牛乳とあまり相性がよくないことを、なんとなく身体が知っている(ような気がする)。
これが乳製品だとまったく平気というのが不思議。
スイカはおそらく高校生の頃までは美味しく食べていたはず。
きっかけは憶えていないが、突然、スイカってカブトムシのニオイだと思った瞬間に食べられなくなった(笑)
実際にはカブトムシのニオイじゃなく、それは当然餌のスイカのニオイ(今じゃ、カブトムシにスイカを与えることはダメらしいけど)のはずなのに、とにかくスイカのニオイとカブトムシの姿が、私の頭の中でイコールになった瞬間に、スイカが受け付けられなくなった。
牛肉は母親の好物だった。
裕福だったわけではないので、家でステーキを食べた記憶はほとんどないけれど、牛こま肉を使った料理はけっこう食卓上で見た記憶。
肉じゃがだとか、すき焼き風の煮込みメニューは頻繁。
好き嫌いが許されてはいなかったので、もちろんそれらはず~っと食べていた。
自分が牛肉嫌いなんだと自覚したのは結婚後。
ある日、相棒クンに牛肉以外は肉とは言わないのだから、食卓に牛肉を出せ…と言われた。
まったく自覚はなかったけれど、その言葉でようやく気がついた。
私が作る肉料理は、鶏肉、豚肉のみ。
自覚はないまま、牛肉を避けていた?
その後、せめてすき焼きくらいは作った方がいいかもと思い、一度だけ食卓に出したものの、翌日もかすかに残る牛肉のニオイに気持ちが悪くなってしまった。
不快感は一日中続いた。
それ以降、すき焼きはもう家では出さないと宣言したことはよく覚えている。
その頃、たまに行く外食ではしゃぶしゃぶやステーキはまだ食べることができた。
でも、それも次第に食べなくなってしまった。
食べていた頃は、相棒くんに高いお肉だと食べるんだな、と言われた(笑)。
私から言わせてもらうと、高い肉は嫌なニオイがしない。
相棒クンは、今でも外で「僕は結婚してから、すき焼きは家でたったの一回しか食べさせてもらっていない」と言い、まわりの人たちから同情を買っている(笑)。
その牛肉…。
先日、久しぶりに宿泊先で食べた。
食べた結果は…またまた夜中のトイレ通い(笑)。
さらに、不運が発生。
トイレ内のペーパーが一回で無くなってしまうくらいの分量しかなかった。
予備ペーパーはあったが、1個のみ。
そのペーパーは、ダブル仕様で非常に柔らかく、きっと超・高級品?
その超・高級品が、私がトイレへ入るたびにあっというまに減っていく(;´・ω・)
平常心ではなかったため、どんなに高くてもお金を出すから(日頃の私はそんなことは思わない…笑)か・か・か・紙…をくれ~と思ったが、真夜中にフロントを叩き起こすことは憚られた。
お腹は痛く、ペーパーはどんどん残り少なくなっていく…。
気が気でない一夜:(;゙゚''ω゚''):
朝にはようやく腹痛も治まり、フロントで追加の予備ペーペーをもらうこともできた。
食べたことをめっちゃ後悔した。
きっと、もう牛肉を食べることは二度とないっ…('ω'乂)<NO
その牛肉がコレ。
↓

愛媛県産 歯長(はなが)牛…私は食べられないけれど、ホントいい肉!
食べたときは、嫌だと感じるはずの牛肉臭が全然気にならなかったし、とても美味しかったので、つい2切れも食べてしまった。
でも、夜中にそういう状態になったということは、私の身体は牛肉を受けつけない。
大人になって自分が気がつく前まで食べることができたのは、きっと自身を守るため。
そういう親の元にいるかぎりは、食べないと主張する方が身を滅ぼしかねなかった…(苦笑)
でも、あの厳しさのおかげで、きゅうりやピーマンや人参を避けながら食べるようなことはしなくてすんでいる<(_ _)>
この歯長牛だけでなく、ここの食事は本当に美味しかった。




朝食

〒797-1503 愛媛県大洲市肱川町宇和川588−1
大洲市交流促進センター鹿野川荘
先月末、田舎の家の草刈りやお墓の手入れで、帰省。
いつも宿泊するお遍路さん御用達(笑)の宿が予定の最終日だけ満室。
しかたなく、料金の高いこちらへ。
高いとはいっても、通常で2食付きの高いプランでもひとり15000円程度。
このときは県民割(地域)クーポンが使えたから、もっと安かった。
次に宿泊するなら、牛肉料理だけは避けようと思うのと、トイレットペーパーの予備はあらかじめ確かめておこう(;´▽`A``