fc2ブログ
2012_09
24
(Mon)16:03

記憶

一瞬で消えた昨日の記事を再現できる能力はないし、あまり時間もないしで、簡単な文章になる予感…(-_-;)


先日の豊稔池ダムでは、過去の記憶と現実の違いに戸惑った。
公園が整備されて、様子が変わったことは確か。

でも…。
ダムの見える角度が、記憶とは違う。
このあたりから見たはず、という場所も存在しない。
記憶に残っているようにダムが見える場所をあちこち探してみたが、記憶と一致するアングルはなかった。

「記憶が嘘をつく」ということは知っていた。
その類のことを扱った本を数冊読んだことがある。

それは…。
きっと自分では意識していないものの、こころのどこかに「嘘をつく」何らかの必要性があってのこと、という理解だったのだが…。

どう考えても、ダムの記憶に「嘘をつく」必要性はない…(笑)


記憶と現実の違いにモヤモヤしていたら、昔読んだ、向田邦子さんのエッセイを思い出した。


過去に、電車の中から、たてがみのあるライオン(つまり雄ライオン)と男の人がアパートの窓辺から外を眺めている姿を目撃したのに、まわりの誰もその姿が目に入っていないようだった、自分はそのとき本当にライオンを見たのだろうか、という内容。

それには後日談があった。
ライオンは実在したのだけれど、たてがみがあるはずがない雌ライオンだったという。

記憶は「単一視点」…この表現だったどうかは定かではないが、そういう趣旨のエッセイだった、と記憶している。

この「記憶」も、すり替えているのかなぁ~(苦笑)



もう長らく、向田さんの作品からは遠ざかっているけれど、無性に読みたくなった。
記憶の確認もしたい。

彼女の文章は秀逸。
それゆえ非常に魅かれる部分と、根本的なところでの物事の捉え方の違いから反発する部分と、両方だった。
当時はワタクシも若かったので、反発部分の割合が増えて次第に作品から遠ざかったのだけれど、いい年齢になった今、おそらく受け入れられる気がする。


彼女の作品を置いてある場所は、わかっている。

でも、そう簡単には出せないところ…(ワタクシの記憶が嘘をついていなければ…苦笑)