その電話は、突然だった。
数年前の夜のこと。
〇〇警察ですが、と名乗る男。
「警察官」のわりには、妙に低姿勢な物言いだった。
ワタクシの脳は、瞬時に「警戒警報」発令

とりあえず用件を聞いてからと思い、相手の話を聞く。
「警察官」は、うちの車と同じナンバーを告げ、数日前にその車が近くのスーパー周辺の道路で中学生に接触したことについての確認の電話だ、とおっしゃる。
そのときまでは、アナタはどちらの営業さん?と思うくらいの口調だった。
ワタクシの脳裏には、子供の頃の愛読書「小公女」のミンチン先生の人物描写のひとつである「慇懃無礼」という言葉が、浮かんだ(苦笑)
それが、ホントにミンチン先生の描写だったかどうかは、定かではないのだが…(^_^;)
かかってきた電話なので、本物の警察官かどうかは、確認できないままだった。
が、まず本物だろうと、判断。
「警戒警報」は解除しないままで、会話を続けることにした。
相棒が、その日時にその周辺へ行っていないことは、はっきりしていた。
なので「その日にその場所へは行ってませんが、運転者である夫に代わります」と告げた。
そのとたん「警察官」の口調が変わった。
「ご主人ではなく、車を運転していたのは奥さん、あなたでしょう!」
言葉づかいは、やはり丁寧ではあったが、電話口から「逃げんなよ!」と言わんばかりの気迫が感じられた。
「おまわりさん…笑」が、予想外の展開に冷静さを失った様子は、不謹慎だけれど、ちょっと面白く感じた…<(_ _)>
それまでの、芝居じみた営業口調はどこへ?状態になってしまったから。
濡れ衣を着せられているらしい、と状況判断したワタクシ。
わざとゆっくりとした口調で「え~っと、私は免許を持っていないので、運転はできません。もちろん無免許運転したこともありません」と、皮肉っぽく言ってしまった。
「オマワリサン…笑」は、食い下がってくる。
「そんなはずはないでしょう。ナンバーは間違いないんだから。奥さんでないのなら、ご家族の誰か他のオンナの人が運転したでしょう?」
さらに、これで決まりだとばかりに、うちの車と一致するナンバー以外のある特徴を言うその言葉使いは、相変わらず丁寧ではあっても、もう完全にゴムひもの押し売り口調(古っ…爆)と変わらない。
ワタクシ、さらに面白くなってしまった。
「そんなはずはないと言われても、私は一度も運転をしたことはないし、うちには私以外の女性はいません」と、今度はかなり強い口調で言った。
さすがに、
「ポリ公」、もとい「オマワリ…(-_-;)」は、黙ってしまった。
一方的な決めつけに対する腹立たしさはあるけれど、ワタクシも一応オトナ…(^_^;)
「その車のナンバーとその特徴は、確かにうちと同じですが、うちでは運転できるのは夫だけです。だからうちの車ということはありえませんが、念のために夫に代わりましょうか?」と…。
「オマワリサン」は、やっと少し冷静さを取り戻した様子。
もう寝ていたところをワタクシに叩き起こされた相棒は、事前に濡れ衣を着せられていると説明しておいたので、非常に慎重&素直に応答している。
そして「イジワル」なワタクシとは違い「超・お人好し…(・。・;」なので、一致するナンバーと、ある共通点についても、ワタクシは知らなかった情報まで「オマワリサン」に伝えている。
どうやら、該当する車をこの近辺でよく見かけていたらしい。
相棒のその情報で、やっとその夜の長い電話は終わった。
製造メーカー・車種・ナンバー・車の色、そして見かける限りでは運転者は女性ということすべてを伝えたので、優秀な日本のオマワリサン…(;一_一)」だもの、おそらくすぐに、その「犯人」を見つけることはできたはず…。
その後、お礼&お詫びの電話は…。
もちろん、ないっ!愁さんやクロヤナギさんの「職質経験」ほどではないかもしれないけれど。
初めから「疑われている」のは、気分がよろしくないっ…(`´)
それに、ワタクシが免許を持っていたら、どうなっていたんだろう~と思うと、ぞっとする…(-_-;)