ライブで遠征の際、観光もしたいのは、きっと私だけではないはず。
せっかく遠くへ(最近は、そんなには遠くない場所が多いけど…)行くのだから、旅気分も味わいたい。
しかし、今回のライブは松山。
生まれてからず~っとではないものの、トータルすると約20年間近くは住んだ土地。
ということで、観光気分になるには、あまりにも知り過ぎている場所。
ライブ翌日は、高校時代の同級生と久しぶりに会う約束。
が、ライブ当日の朝は、高速バスターミナルまで乗せて行ってもらうため、相棒クンの出勤時間に合わせて家を早く出るから、松山到着は、なんと朝9時半。
土曜日開催でも、エレカシさんのライブ開演時間はそんなに早くはなくて、夕方6時。
ありあまる時間…どこかへは行かないと、時間がつぶせない(・_・;)
松山観光と言えば、松山城か道後温泉…。
松山城へは長らく登ってないし、お城は嫌いじゃないけど、夕方まで楽しく過ごせるほどの「城マニア…」でもない。
道後は温泉に入らないと意味がない…が、ライブ前に温泉に入っても、ライブですぐに汗だくになるので、それこそ意味がない気がする。
となると…。
岡山遠征に続いて、またまた今回も「テツの道を行く(笑)」…しかないという、当然と言えば当然の結論。
最近は、どこの私鉄でも一日乗り放題などのお得な切符がある。
イヨテツさんにも、そういうのがあるのかな?と調べたら、今回の旅にぴったりの「ALL IYOTETSU 2Day Pass」なるものがあった。
伊予鉄道の郊外電車・市内電車・バス全線2日間乗り放題で2000円。
移動手段として使うはずの市内電車の運賃は160円均一。
なので、それだけでは到底元は取れない。
が、「テツ」として、以前から写真に残したい駅舎や、全国的には珍しいというダイヤモンドクロスが伊予鉄道にはある。
これらの場所への移動には、このフリー切符は便利。
元が取れるかどうかはビミョーだけど、いちいち切符を買う手間は省ける。
ということで、高速バスを大街道で降り、伊予鉄トラベルの営業所で2Day Passを購入することに。
2Day Passは、高速バスを大街道で降りずに、次の市駅まで行ったとしても、市駅のチケットセンターで買える。
でも、ホテルへ荷物を預けることを考えると、ここでこのフリー切符を買う方が、効率がいい。
旅行会社の営業所でこれを購入する人は少ないのか、窓口のおじさんは、何のことか一瞬わからなかった様子。
手にしたそのチケット、なんと乗車日を自分で削るというスクラッチ式だった。
伊予鉄にもICカードは導入されているけど、そういえばICOCAもSuicaも使えない。
で、こういうフリー切符は、超・アナログなのね…(^^ゞ
その後、荷物を預けて身軽になり、ようやくテツとして行動するため、まずホテルからいちばん近い県庁前の電停から市内電車に乗車。
さっそく2Day Passの出番。
このフリー切符を購入した際、市内電車は後ろ乗り前降りですか?と思わず確かめた。
通勤通学で10年間も乗っていた電車なのに、気分はすっかり「観光客…」だった。
実際、乗車してすぐ車内で降車ボタンを見たとき「あれ? 降車ボタンって以前からあったっけ? 伊予鉄の市内電車って、均一料金だし、必ずどの電停にも停まるんじゃなかったっけ?」…と、そう思ったくらい。
そんな浦島太郎状態に陥った自分にちょっと驚いているうちに、市内電車は松山市駅に到着。
どういう順番でどこへ行くか…を完全に決めていたわけではない。
郊外電車は15分毎。
たぶん行くであろう、それぞれの駅の発車時間と、目的駅までの所要時間は調べ済み。
今は、スマホですぐに調べることはできる。
が、アナログ人間としては、全体の流れが一目で把握できる「自分の、自分による、自分のためだけの…計画表(;^ω^)」は必要。
市駅で降りたとき、ようやく郊外電車の高浜線から乗ろうと決めた。
帰る実家はなくても、お墓はある。
今年もすでに車で2度はお参りに来ていて、5月の初旬にも来たばかり。
が、この高浜線沿線の駅から遠くない場所に墓地はある。
シキミを扱っている駅前のお店がなくなってしまったし、お線香の火種用チャッカマンは高速バスで持ってくるにはちょっとまずいかな、ということで何の用意もないけれど…。
要は…気持ちの問題。
気持ちがすっきりした後、いよいよ「テツ」の行動…。
初動時間(笑)が早かったおかげで、結果的には郊外電車3路線のうちの2路線(郡中線と高浜線)と市内電車の市駅⇔道後温泉駅間を乗車。
一度トイレ休憩のため、市駅のターミナルデパートへは入ったものの、途中駅ホームのベンチで食べたおにぎり一個と飲むゼリーが昼食。
とにかく、ひたすら乗って降りて、また乗って…の繰り返し。
ライブまでの時間を持て余すどころか、最後はけっこうバタバタ。
おそらく、他人様からみたら「ばっかじゃないの?」という行動。
でも、本人としては、非常に大満足の一日。
さて、これからの記事…とりあえず、これは①としたものの、何番までいくのか本人にもわからないし、以下、鉄道に興味のない方にはまったく面白くないものになることを、あらかじめ通告しておきます<(_ _)>
まず最初に立ち寄ったのは梅津寺。
梅津寺駅舎

駅舎は新しく、今風の建物。
以前の駅舎の記憶がないのは、ここは遊びに来る場所で、駅舎なんか見てる場合じゃなかったから…だと思う。
遠浅の海岸線が長く続いて、海水浴シーズンには海の家がず~っと並んで、人・人・人…だったと、駅のおじさんが懐かしそうに語ってくれた。
昔は有名な海水浴場だった場所。
10年近く前に海水浴場としての営業をやめたとか。
すぐそばにあった遊園地もホテルも無くなっていた。
この沿線がテレビドラマ「東京ラブストーリー」のロケ地になって以降、しばらくは海のシーズン以外にもかなりの人が来るようになったものの、駅のおじさんによると、近年はさすがに日本人はいなくて、海外からのお客さんばかりだとか。
海外でもあのドラマは放送された?
それでも今回は…。
日本人がいた!
私は、フリー切符のおかげでホームへの出入りが自由。
写真を撮るためにホームの内外をウロウロしていたら、フェンスの外側にいる数人の日本人のおばちゃん&おじちゃん4~5人(たぶん年齢は私より少し下。 つまりドラマを見ていた世代)に、「なんで自由に出入りできるの?」…と。
「フリー乗車券を持っているので…」と答えたら、「私たちはそんなの持ってないからここで我慢するしかないのよ。ホームにはロケ地の看板があるそうなのに、ここからは全然見えないじゃないの」と、何だかこっちが悪いことでもしているかのような、若干咎めるような言い方。
「入場券を買えば、自由に入れると思いますよ」とだけ言って、さっさとその場から離れたけれど、ちょっと感じわる~い。

当時、まったく見たいとは思わなかったドラマ。
主演の方々が苦手。
だから、ロケ地の看板なんて、自分にとってはどうでもいいんだけれど、あんな言い方されたら、自分には権利があるんだから、見てやるよ(笑…ワタクシ、けっこう意地悪というか、やられたら絶対に何らかのものはお返しするタイプ)。
ドラマの評判は良くて、確かすぐに再放送された。
このドラマにハマった知り合いから、最終回のロケ地を詳しく知りたいから、再放送を見て、松山のどこの場所の映像なのか教えて欲しいと頼まれ、最終回だけは、ちゃんと見た記憶。
どの場所かなんてことはすぐにわかった。
松山市民なら誰でも知っている。

が、ドラマ上で、電車が現実とは逆の方向に走るのを見た瞬間、どっちらけ(←死語?…苦笑)。
ドラマの筋に従って、実際に電車を上り方面へ走らせると、景色がよくないからしかたがないけど。
今回、駅のおじさんとの会話でも、その話は出た。
次のシーンも、現実にそこへ行くには相当の時間が必要なのに、電車を降りてすぐに瞬間移動でもしたんかいっ~と、突っ込みを入れたくなるような場所でのシーンになったから、さらにさらに大きく興ざめ。
よく知っている場所というのは、ドラマで見てはダメ。
感情移入する前に、ツッコミを入れたくなる(笑)
しかし…。
あのドラマが好きだった人たちにとっては大事な場所なのだろう。
おそらく先ほどのフェンスの外にいた方々にとっても…。
一方の私にとっては、ここには現実の思い出がたくさんある。
私たちが子供の頃の梅津寺駅と言えば、電車を降りたらすぐそこに海水浴場と遊園地と、奥に野外ステージもあるイベント広場があるところ。
ジェットコースターやコーヒーカップやゴーカートなどの遊具に、生まれて初めて乗ったのは、ここにあった小さな遊園地。
泳ぎにきたら必ず飲んだというか、飲まされたあめ湯の味も懐かしい。
野外ステージの方では、今も活躍中の芸能人の方々のステージなどを見た。
今、そういう施設はもう無いけど、記憶は無くならない。


遊園地だけでなく、ホテルも無くなってしまったので、この公園はホテルの庭園だったのか、それともイベント広場だった場所なのかわからないんだけど、小さな公園内に坊ちゃん列車。

