読むタイミング 
子供の頃から、本を読むことは好き。
字が読めるようになった頃から、とにかく字が印刷されているものだったら、広告でも何でも目に入るものはすべて読みたいと思っていたので、本というよりは、活字そのものが好きだったんだと思う。
読めない字や、意味の分からない言葉については、元来が怠け者なので、けっして辞書を引いたりはせず(笑)前後の文章で想像して読んでいた。
それは、教育的にはとんでもない読み方のはず。
でも、ワタクシの「文章能力」は、そのやり方で伸びたんじゃないかと思っている(^^ゞ
けっして他人様にはお勧めできないし、もちろんこの「文章能力」だって、大して高いわけじゃないんだけど。
小学校低学年くらいまでは、親からこういう本を読みなさい的な干渉もあったような記憶もあるけれど、本さえ読めば賢くなる、成績が上がる、という思い込みが強かった母は、漫画は絶対禁止という以外、読む本の内容にまでは干渉してこなかった。
それは教育熱心な親として、非常に詰めが甘い(笑)と思うが、ワタクシ的には幸いなことだった(^_-)
図書館で、または本屋さんで、目に留まった本を手に取り、数ページどころか、ほんの数行読んで、相性がいい、と感じたら、借りる、あるいは買うというスタイルは、ネットでポチっとできる時代になっても、基本的にはずっと変わらない。
この本は売れているから、という理由で興味を抱くことはあまりない。
本好きな人にはわかってもらえると思うが、ワタクシにとってそのときの自分に必要な本が偶然そこにあって、ワタクシを手招きしてくれる、という感じ。
だから、売れている本を手に取る必要はなかった。
でも近年は、そういう出会いが少ない。
というか、あまり本から手招きされない(;´Д`)
たぶん、ワタクシ側の「本に対するアンテナ感度」が鈍ったのだろう。
年相応の「目」になってきているし、「頭」も若い頃みたいには素早く回転してくれない。
読むスピードも、かなり遅くなってしまった。
そういう現状のワタクシが、「模倣犯」の方は再読とはいえ、4日間でこれらすべてを読了してしまったのは、さすが宮部みゆき氏の作品。

宮部さんの、初期の頃の作品はすべて読んでいる。
作家名だけで、無条件に作品を購入し、早く新作が出ないかな~と待ちわびるほど、好みの作家だった。
でも、確か直木賞受賞作品で、「あ、これは自分の好みとはちょっと違う…かも」的な感想を抱き、それからは気に入ったものだけを読むようになっていった。
「模倣犯」が出たときも、すぐには読まなかった。
この作品は評判がよかったらしく、すぐに映画化された記憶がある。
幸か不幸か、その映画を先に見てしまった。
この映画作品に関わった方々には申し訳ないけど、ワタクシ的感想はない…つまり、けっして、いい意味じゃなく「何も言えね~」という印象のみ。
ワタクシ的に、映画があまりに…だったから、原作を読んで確かめなきゃ、と思った。
ところが…。
映画化されたものを先に見てしまったからか、どうしても小説としてはちゃんと読むことができなかった。
内容が、あまりにも残酷すぎたこともあって、読んでいる最中も、読み終えても「これはダメ」と…しか思えなかった。
それまでの宮部作品は、少々好みから外れていても、また長編であっても、一気に読めることは間違いなかったのに、これは何度も挫折しそうになった。
読み終えた後は、本箱のいちばん奥に押し込み、ワタクシにはかなり珍しいことなんだけれど、その後、二度とこの本を読み返すことはなかった。
今回、ちょっとしたきっかけで「楽園」を読む気になり、読み始めたら、その勢いは止まらなかった。
寝る時間を削るくらいの勢いで本を読んだのは、本当に久しぶり。
読み終えた後、いや、読んでいる最中に、この「楽園」は「模倣犯」後の話なんだから、「模倣犯」を再読しよう、と思っていた。
「模倣犯」は、たぶん15年ぶりくらいに読んだはずなんだけれど、こちらも、読む勢いが今回は止まらなかった。
再読しなかったのは、最初に読んだときに、自分とは相容れない世界観だった映画を引きずったままで、どうしても、それと切り離しては読めなかったから?
今回の感想としては、内容が内容なので、「好きな作品」「楽しく読める作品」では、けっしてない。
だけど、救いはないものの、人物描写が巧いというか、「人間」を描いていることには、かなり魅かれるものがあった。
宮部さんが巧みなのは、ただの人物描写にとどまらず、人と人との関係性を丁寧に書いているところだと思っている。
人との関わり方次第で、人は救われることもあるし、逆に悪い方へ転がってしまうこともあるけれど、そういう場面の、この作家さんの心理描写は、いつも鋭い。
それにしても…。
読書のタイミングって、とても大事なことがあらためてわかった気がする。
「アンテナ感度」は、年齢によって、その「深さ」「広さ」そして「方向」も違う。
同じ本であっても、読んだ年齢によって「感じ方」が違うのは当然。
そして…小説好きには、映像化作品は、原作が先ということが、やはり鉄則…かな(苦笑)
一気に読んだので、そういう場合のお決まりとして、今後はしばらく時間をおいて、またじっくり再読する予定。
久しぶりに「パーフェクト・ブルー」も「心とろかすような(マサの事件簿)」も、読みたくなっている。
最後に…。
「模倣犯」の中の、「子供は後先を考えずに嘘をつく、それで大人を騙せると思っている」「子供ってのは、みんな自分が世界でいちばんだって思いこんでる」という箇所を読んだとき、あ、最近の自分は、無意識にこの言葉を活字で読みたくて、アンテナ張ってたのかもあ?…ってそう思った(^.^)
見た目が大人でも、いつまでたっても子供のままっていう人は、小説の中だけじゃなく、現実世界にもいらっしゃる(苦笑)
字が読めるようになった頃から、とにかく字が印刷されているものだったら、広告でも何でも目に入るものはすべて読みたいと思っていたので、本というよりは、活字そのものが好きだったんだと思う。
読めない字や、意味の分からない言葉については、元来が怠け者なので、けっして辞書を引いたりはせず(笑)前後の文章で想像して読んでいた。
それは、教育的にはとんでもない読み方のはず。
でも、ワタクシの「文章能力」は、そのやり方で伸びたんじゃないかと思っている(^^ゞ
けっして他人様にはお勧めできないし、もちろんこの「文章能力」だって、大して高いわけじゃないんだけど。
小学校低学年くらいまでは、親からこういう本を読みなさい的な干渉もあったような記憶もあるけれど、本さえ読めば賢くなる、成績が上がる、という思い込みが強かった母は、漫画は絶対禁止という以外、読む本の内容にまでは干渉してこなかった。
それは教育熱心な親として、非常に詰めが甘い(笑)と思うが、ワタクシ的には幸いなことだった(^_-)
図書館で、または本屋さんで、目に留まった本を手に取り、数ページどころか、ほんの数行読んで、相性がいい、と感じたら、借りる、あるいは買うというスタイルは、ネットでポチっとできる時代になっても、基本的にはずっと変わらない。
この本は売れているから、という理由で興味を抱くことはあまりない。
本好きな人にはわかってもらえると思うが、ワタクシにとってそのときの自分に必要な本が偶然そこにあって、ワタクシを手招きしてくれる、という感じ。
だから、売れている本を手に取る必要はなかった。
でも近年は、そういう出会いが少ない。
というか、あまり本から手招きされない(;´Д`)
たぶん、ワタクシ側の「本に対するアンテナ感度」が鈍ったのだろう。
年相応の「目」になってきているし、「頭」も若い頃みたいには素早く回転してくれない。
読むスピードも、かなり遅くなってしまった。
そういう現状のワタクシが、「模倣犯」の方は再読とはいえ、4日間でこれらすべてを読了してしまったのは、さすが宮部みゆき氏の作品。


宮部さんの、初期の頃の作品はすべて読んでいる。
作家名だけで、無条件に作品を購入し、早く新作が出ないかな~と待ちわびるほど、好みの作家だった。
でも、確か直木賞受賞作品で、「あ、これは自分の好みとはちょっと違う…かも」的な感想を抱き、それからは気に入ったものだけを読むようになっていった。
「模倣犯」が出たときも、すぐには読まなかった。
この作品は評判がよかったらしく、すぐに映画化された記憶がある。
幸か不幸か、その映画を先に見てしまった。
この映画作品に関わった方々には申し訳ないけど、ワタクシ的感想はない…つまり、けっして、いい意味じゃなく「何も言えね~」という印象のみ。
ワタクシ的に、映画があまりに…だったから、原作を読んで確かめなきゃ、と思った。
ところが…。
映画化されたものを先に見てしまったからか、どうしても小説としてはちゃんと読むことができなかった。
内容が、あまりにも残酷すぎたこともあって、読んでいる最中も、読み終えても「これはダメ」と…しか思えなかった。
それまでの宮部作品は、少々好みから外れていても、また長編であっても、一気に読めることは間違いなかったのに、これは何度も挫折しそうになった。
読み終えた後は、本箱のいちばん奥に押し込み、ワタクシにはかなり珍しいことなんだけれど、その後、二度とこの本を読み返すことはなかった。
今回、ちょっとしたきっかけで「楽園」を読む気になり、読み始めたら、その勢いは止まらなかった。
寝る時間を削るくらいの勢いで本を読んだのは、本当に久しぶり。
読み終えた後、いや、読んでいる最中に、この「楽園」は「模倣犯」後の話なんだから、「模倣犯」を再読しよう、と思っていた。
「模倣犯」は、たぶん15年ぶりくらいに読んだはずなんだけれど、こちらも、読む勢いが今回は止まらなかった。
再読しなかったのは、最初に読んだときに、自分とは相容れない世界観だった映画を引きずったままで、どうしても、それと切り離しては読めなかったから?
今回の感想としては、内容が内容なので、「好きな作品」「楽しく読める作品」では、けっしてない。
だけど、救いはないものの、人物描写が巧いというか、「人間」を描いていることには、かなり魅かれるものがあった。
宮部さんが巧みなのは、ただの人物描写にとどまらず、人と人との関係性を丁寧に書いているところだと思っている。
人との関わり方次第で、人は救われることもあるし、逆に悪い方へ転がってしまうこともあるけれど、そういう場面の、この作家さんの心理描写は、いつも鋭い。
それにしても…。
読書のタイミングって、とても大事なことがあらためてわかった気がする。
「アンテナ感度」は、年齢によって、その「深さ」「広さ」そして「方向」も違う。
同じ本であっても、読んだ年齢によって「感じ方」が違うのは当然。
そして…小説好きには、映像化作品は、原作が先ということが、やはり鉄則…かな(苦笑)
一気に読んだので、そういう場合のお決まりとして、今後はしばらく時間をおいて、またじっくり再読する予定。
久しぶりに「パーフェクト・ブルー」も「心とろかすような(マサの事件簿)」も、読みたくなっている。
最後に…。
「模倣犯」の中の、「子供は後先を考えずに嘘をつく、それで大人を騙せると思っている」「子供ってのは、みんな自分が世界でいちばんだって思いこんでる」という箇所を読んだとき、あ、最近の自分は、無意識にこの言葉を活字で読みたくて、アンテナ張ってたのかもあ?…ってそう思った(^.^)
見た目が大人でも、いつまでたっても子供のままっていう人は、小説の中だけじゃなく、現実世界にもいらっしゃる(苦笑)
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