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第2112回「見慣れない出来事」  

2年前の7月7日の夜、私は一晩中PC画面に向かっていた。

翌朝早く、我々ふたりは、孤立状態に近かった田舎の実家にいた母をその場から連れ出すため、うどん国を出発。
愛媛県に入ると、高速道路は寸断されている部分が多かった。
一般道に降りたり、また高速に乗ったりしながら、ようやく実家がある町へ近づいた。

が、その先が非常に厳しい状態であることは、前夜、私がほぼ徹夜に近い状態で情報収集をしていたのでわかってはいた。

実家のある町へ入る道はメインルート以外にいくつかある。
今回、メインルートがダメになったということだけは早々とわかっていた。
情報によると、メイン以外で通れるのも、どうやら1ルートのみ。
突然の災害だったから、公の情報は細かい部分に関してはまったく出ていなかった。

一般の方のTwitterだけを頼りに出発。
その方は、手書きの地図上で不通ルートにバツ印、おそらくここは通れるはずというルートにマル印をつけて情報提供してくださっていた。

ちまたに溢れる情報は間違っている場合も多い。
が、緊急事態。
我々はこの方の情報に望みを託すしかなかった。


いつもなら、そこから実家まで車で40分程度の場所までようやくたどり着いたとき、はっきり悟った異変。
信号がすべて消えている。
ほんとだったら、お巡りさんが出て、誘導しなくちゃいけないくらいのそこそこ広い道路なのに、誰もいない。
誘導する人がいないから、みんな慎重な運転。
いつもよりも車の数は多かったと記憶。
その周辺地域でも大きい被害が出ていたからだと思う。

その後は、思いだしたくないような光景の連続。
ニュース映像でしか見たことのないもの(流されてきた車、布団、家財道具等々)が道路上、目の前にあった。

道路の一部が川へ崩れ落ちている箇所も、パイロンが置いてあるだけで、交通整理する人がいない。
今思えば、そういう人員も出せないくらい状況はひっ迫していたのだろう。
そこは、ホントだったら通行止めにしなくちゃいけないくらいの崩れ具合だったが、でも、そこが通れたおかげで、我々は母を連れ出すことができた。


あれから2年。
その後に次から次へといろんなことが起こり、非常に目まぐるしい日々が続いたので、え? あれからまだ2年?という気持ちが大きい。

しかし…。
あの日のあの光景だけは昨日のことのようにまざまざと思いだす。


毎年のように50年に一度の…と報道されることが増えた。
でも、おそらくもう「見慣れない出来事」じゃなく、「いつでも起こりうる事」になってしまったんだと…そう思う。


Posted on 2020/07/07 Tue. 20:24 [edit]

category: ひとりごと

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