翌日の10/12
予定していたのは、東京タワーと江戸城跡と東京フォーラムの建物の見物。
今回の旅で、相棒クンの第一希望が、まずは東京タワーの写真をいろいろな角度から撮るということ。
修学旅行では行ったような気がする…だけらしい。
私の第一希望は、武道館から歩いて行けそうな距離の江戸城の天守跡を見たいということ。
東京タワーは、私もかなり昔には行ったはず(修学旅行では東京方面行きを選ばなかったあまのじゃく人間…苦笑)だけれど、いつ行ったのか、上まで登ったのかなどの記憶がない。
ちゃんと記憶が残るように、行ってみたいとは思った。
何とかの高上りなので、私は下からの写真を撮るよりは上から景色を眺めたいだけだったのだけれど。
相棒くんも江戸城跡は見たいというので、それに加え、東京フォーラムのガラス棟の写真も撮影しようという予定を立てていた。
しかし、相棒のカメラの調子がよくない。
昨日撮影したのも撮れたかどうかがわからない状態になってしまっていたので、まずは地下鉄で東京駅近くのカメラ店へ行くことにした。
ところが、この日の私、歩けない。
正確に言うとまったく歩けないわけじゃないけれど、とにかく足の動きがまったく続かない。
昨夜のライブ帰りがすでにそういう状態だった。
お風呂でストレッチして、足をマッサージしようと思っていたのに、疲れてそのまま寝てしまったのがよくなかったらしい。
ホテルから九段下駅までゆっくり歩き、ようやく地下鉄には乗れたけれど、今度は大手町駅から東京八重洲地下街にあるというカメラ店へ行くまでは、何度足が止まったことか。
都会の駅や地下道等はその広さに比べると、身体を休める場所がなく、元気な人のものなのだ、とつくづくそう思った。
折りたたみの杖を持ってきていたのは幸い。
テアトロンでのライブへ行くとき(会場へ下るときのみ)しか使ったことがない杖だけれど、今回、東京では歩く、ということはわかっているので、念のために持参。
杖は、前日の武道館の会場内でも役に立った。
あの手すりもない段差を昇り降りするのは恐怖だったから、杖があってよかったと思った。
その時点では、それほど杖に頼っていたわけじゃないが、気持ちの問題。
結局、このライブ翌日は空模様が今ひとつだったので、東京タワー行きは断念。
青空じゃないと、肝心のタワーが映えない。
それに、上から見下ろす景色だって、もうひとつだろうということになった。
カメラの具合をみてもらったら、一応電源は入ったので、とりあえず東京フォーラムのガラス棟へ行くことに。
以前、私は相田みつを美術館へ行ったことがあったというのに、ここが建築物として素晴らしいことを全く知らなかった。
今回、相棒クンが東京での被写体を探しているというので、いろいろ検索していて、この建物の素晴らしさを知った。
実際に行ってみると、この建造物はもっと元気な状態のときに、もっといろいろなアングルから撮りたかった、と思った私。
そのとき相棒クンの方は、自分のカメラの具合は戻ったと信じていたのでいろいろ撮りまくっていた。
私はとにかく身体が思うように動かせないので、座れるところがあれば座る…みたいな状態。


東京フォーラムを出てからは、皇居を目指してまた歩く。
途中、古い建築物と新しいものとが共存しているようなところがいくつかあった。
この建物は三菱1号館美術館。

視線の先にはもう皇居が見えていたけれど、私は足どりが重く、やたら遠く感じた。
こんなに遠かったかな、と思った。

皇居といえば、今まではここしか知らなかった二重橋。

二重橋からあの桜田門はすぐだというのに、一度も見たことがなかった。

桜田門は、もう少し近くで撮影したかったが、この後もっともっと歩かなければならないことがわかっていたから、体力温存のためベンチに座り、近くまで撮影に行った相棒クンを待った。
宮内庁と坂下門 この門は入れないけれど、近くまで行っての写真撮影はOKだったそう。
私はかなり離れた場所から撮影。

ここまででも相当歩いたのだけれど、目的はもっと先。
桔梗門と桜田二重櫓(巽櫓)


ようやく目的の皇居東御苑への入口の大手門へ。
ここでは荷物チェックがある。
相棒クンが折りたたみの傘を日本酒が入っていたビニール袋に入れてカバンの中に入れていたところ、これはお酒ですか?と聞かれたそう。
元はお酒が入っていたビニール袋で、傘が雨に濡れた時のために使っていると答え、これは奈良のお酒が入っていた袋ですと言ったら、先方からは、それは辛口の酒ですか?なんていう、お互いが笑顔になるような会話になったそう(笑)


この後、東御苑受付(そのまま通れる)では、私が杖をついての相当のゆっくり歩きだったから、車椅子もありますよ、と声をかけられたほど。
それを丁重にお断りして、進む。
相棒クンが車椅子を押してくれるとは思えない(笑)
それに、行ってみてわかったけれど、車椅子ですんなりと最後まで見て回るには、やや難しい場所。
古い昔の時代の建物のすぐ向こうに、新しい建物。
この辺りで、相棒クンのカメラがまったく作動しなくなる。
それまでは一応シャッターを切ることはできていたというのに。
で、とても残念なことながら、結局は全く写っていなかったことが、後になって判明(´;ω;`)


この中雀門跡の石垣は、きれいに切りそろえられたものと古い時代の加工と思われるものとが共存。


ようやく、天守台跡へ。





天守台の上からの景色。
向こうにはやっぱり新しい時代の建物。
ここに天守があった時代の人がタイムスリップしてこの景色を見たら、めっちゃ驚くのだろうな…。



私の足取りが相当遅かったため、かなり時間がかかったはずだけれど、その天守台の向こう側がようやく出口の門だった。
皇居東御苑は、入った門じゃなくても、違う門から出ることができる。
ホテルに近いと思われた、この北詰橋門を出た。
ここにも、この門から入る人をチェックするための皇宮警察の方がいた。
出る方の人間には、特にチェックはない。
門を出て少しばかり進んだ辺りで、私はどうしても座りたくなったが、付近にベンチはない。
それでももう足が持たない、と道路脇に座りこんでいたら、出口にいた若い皇宮警察の方が遠くから凄い勢いで走ってきて、どうされましたか? 大丈夫ですか…と。
どうやら、私が倒れたとでも思った様子。
驚かせて申し訳ない。
少し休んだら歩くことができるのはわかっていた。
しばらくして、そろそろ行こうと、遠目ながら頭を下げてその警察の方に挨拶したら、先方も会釈。
それに気づいた相棒クンが会釈したら、なんと今度は敬礼して下さったそうで(^_^;)
入口の大手門でもそうだったけれど、今の時代、警察の方は、優しいし、けっして高ぶらない。

歩きだしてすぐに、相棒クンが思ったのと違う出口へ出た気がすると言い始める。
私は一瞬、まだ歩くんかいっと思ったけれど、目の前には北の丸公園の文字がある表示板が見えていた。
地図は読めなくても、自分だけにしかわからない独特の方向感覚は持っている私。
これを進むと武道館が見え、九段下へ出られるはず、と確信。
それでも…。
本当に武道館の玉ねぎが見えたときはめっちゃ嬉しかった。
足どりがけっこう重たいままだったから。

その武道館は、前日とはまったく違い、この日は通常の姿。

そうそう…。
皇居内でも「商売(笑)」っていうものが存在することを初めて知った。
東御苑内の売店で購入。
まずは売店があることに驚いた。
自宅用ではないが、ちょっとした話題にはなりそうだったから、買ってみた。
菊の御紋の和三盆もあったけど、相棒クンは、自分としては絶対に菊の御紋の形をしたものは口には入れられないから、他人へのお土産でそれはダメと、包み紙が菊の御紋のチョコレートを購入。
私だったら、菊の御紋であろうが平気で口にできるけど(笑)
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